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心霊写真部 劇場版

出演: 奥仲麻琴,上野優華,伊藤陽佑, 谷内里早, 工藤美桜, 森田亜紀

監督: 永江二朗

販売元: キングレコード

発売日2015/07/22

時間: 102分

映像版の『心霊写真部』はもともとは2009年頃の携帯(ガラケー)サイト連載のホラー小説作品が原作になっている。
出所がジュブナイル系のライトノベルからということもあり、一般的なJホラーとは系統を全く異にしている。純然たるホラーでもなければ、ファンタジーでもなく、SFでもないのだ。あえて言えばムー的な子どもだましのオカルトである。オリジナルのビデオ作品が発売された当初(2010)の評価では、往年のNHK少年ドラマシリーズを髣髴させるという意見がちらほらと見られた。そんなインチキ真面目な作風なのである。

オリジナルビデオ作品は、携帯サイト小説を原作として、かつ、かのジョリーロジャーの製作ということもあり、話し半ばに打ち止めとなったが、これは何もジョリーロジャーだけの問題ではなく、ジョリーの倒産時に小説も完結していなかったという事情もある。携帯小説サイトもまた刹那的なコンテンツだったのだ。

そんな、さらりと忘れ去られそうな作品が、動画配信サイトでの配信をキッカケに不相応なくらいの高い再評価を受けたのだ。脚本も原作者が担当したジョリーでは珍しいかなり堅実な作品だったので、無料配信で再評価を得ることができたのもむべなるかな、というところ。
クラウドファウンディングにも成功し、続編の製作が決定、とはいうもののシリーズ物を作れるという確約ではないところから完結編が、劇場版と題して製作されたというお話である。

おさらい 心霊写真部 壱限目 弐限目

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やや強引にでも完結させよう、という前提があるため、今までの経緯は新キャスト『奥仲麻琴』がモノローグとして語り最終章につながっていくのだが、オリジナルビデオの6話までを見ていないと若干置いてきぼりになってしまうところもある。
主人公『二宮佳夕』役はオリジナルビデオの『中村静香』が結構はまり役だったので、最初は、キャスト変更か(残念)という気持ちで観賞を始めたが、このちっちゃい二宮も意外と良い、というか適役かどうかを抜きにすれば奥仲の方が可愛い気もする。(あなたはどうでしょうか)
このあとも、最終章前に一話完結形式のエピソードが一話挿入されるが、それもアバンタイトル扱い。

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7話『エンジェル様』?では、大体の登場人物の役回り的なものがわかるような構成になっている。今回の敵は、エンジェル様にハマッて、エンジェル様のコスプレまでして佳夕を襲ってくるちょっとあれな少女。
部長(伊藤陽佑)とリリ(上野優華)はこれまで同様途中で痙攣をはじめて失神して脱落。佳夕のセリフは「この二人どうしよう」であるが、6話までも大体そんな感じだったのである。で、佳夕一人で対決することになるのだが、ちょっとピンチになると謎の少女(谷内里早:新キャスト)が現れて力を貸してくれるという展開である。

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7話の最後に、マスク殺人鬼が登場したところで、オープニング挿入。最終章に突入する。音楽はオジリナルビデオ作品と違い、専用のテーマBGMが使われているっぽい。オープニングでは大量の合成心霊写真が表示されていく演出だが、オリジナルでは心霊写真とは何ぞや、という説明がオープニングでながれていたこともあり、今時になると、そもそもが心霊写真って何?という世代もいるのではなかろうか、とふと思う。

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校内随一の心霊スポットであるところの、吹き抜けのある廊下で、詰襟の男子生徒の霊を見る佳夕。この3人が心霊写真部の面子であり、左は寺久保リリ(上野優華:新キャスト)右が部長こと牧村要(伊藤陽佑:続投)

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詰襟の学生服ということから過去の生徒ではないか、という目星をつけて図書館で17年前の卒業アルバムを閲覧する面々。そこには男子生徒ではなく謎の少女(一ノ谷未沙来)の顔が。
奥仲さんはなぜかいつも眠そうな顔と声なのだが、よくみると目の周りのクマみたいなのが大きく、鼻が詰まっているのでそんな感じっぽい。可愛いと感じる人はたぶんそこがツボなのだと思う。

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突然図書室に謎の少女が現れ、一ノ谷未沙来と詰襟の男子生徒(篠原圭人)との関係や自分自身の正体がはじめて語られる。謎の少女の名前は一ノ谷玲花、二人の娘であるという。
母親は当時、心霊写真に強い興味を持ち、表向きはプロカメラマンという肩書きの元、実際は心霊写真の研究にのめりこんでいったのだという。玲花は佳夕に、「母と同じ道を歩もうとしている」というが、ちょっとそういう演出は足りないと思う。むしろ心霊写真マニアは部長である。
以後、玲花は心霊写真部の準部員的な立ち位置となる。

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いままで心霊写真に特別思い入れなどなかったような(演出上)佳夕だが、玲花の一言に触発されたか、17年前の一ノ谷未沙来と詰襟君の状況を再現しようと校舎内で撮影を開始。詰襟君の代役には部長。
その後、佳夕は詰襟君の行動を追体験してしまい自殺未遂。部長にすんでのところで止められる。玲花は行方不明に。

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撮影された写真を3人で検証しているうちに、突然、3人とも同じ幻視(夜鳴洞窟へ向かう)をしてしまい、特に部長は吐き芸をするほどダメージを受けて、シャワーでリフレッシュすることに・・・
このシーンは、動画配信サイトでの続編に入れてほしいシーンでトップを取ったために無理に収録されたシーンらしいのだが、なんでこんな誰得シチュエーションがトップになったのだろう。ヒロインのアレなシーンでは、たとえトップになっても実現しないと思った投票者の多くが実現可能性の高いネタ的な内容に走ったのであろうか。

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続いて、部長が行方不明になり、幻視した地域随一の心霊スポット『夜鳴洞窟』から写メを送ってくる。残る二人は、夜鳴洞窟に向かうが・・。なんか夜鳴洞窟に出向くのは、はじめてのような演出、夜鳴洞窟はオリジナルの6話で思いっきりドラマの舞台になっているんですが、この辺の整合性はどうなっているのだろう。と思ったら、見直してみると6話のはトンネルでした。

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詰襟君と玲花の母も17年前に夜鳴洞窟を訪れていた。2人の過去に触れた心霊写真部の3人は彼らの遺志を継ぎ、夜鳴洞窟の謎を解明すべく追体験を続けているという解釈でよいのだろうか。

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マスク殺人鬼に操られた佳夕vs部長とリリとの最終決戦。このあと、クライマックスでマスク殺人鬼と夜鳴洞窟の謎も解明されるのだが・・・なんか、うわー・・といいたくなるような中二っぽい内容で、ジュブナイルだなーとか思ってしまった。

完結編として、無難にまとめられているとは思うが、駆け足でまとめた感は強く、粗いところも多いので、その辺が中二臭を強くしてしまったのではないかと思う。
キャスト交代のイメージチェンジも大きく(玲花はイメージ的に前キャストと同じタイプだし、リリは大したことはないが)中村静香から奥仲麻琴への変更は作品の印象をずいぶん違う物にしている。別に奥仲が悪いわけではなく、むしろ単体では(以下略)
が、しかし無自覚霊感演技については、やっぱり中村静香の方が素でいける分、合っていたと思う。
一方、Rebootについては、役をつかんできたところで奥仲麻琴の続投がよかったと思う。本作の『二宮佳夕』は監督が思っているよりは、ずっと役者を選ぶキャラクターだ。
部長の役者を変えることは作品イメージ上、相当にリスキーだと監督もわかっているので続投なのだろうが、佳夕についても同様なのである。

すぐに入手したのはレンタルUP版だが、本作ではメイキングはセル版だけの収録。廉価版が出た時にセル版も購入した。メイキング付がよければ、廉価版の購入がオススメ。

オススメ度★★★★(奥仲麻琴の眠そうな顔がツボではない人はマイナス★ひとつか?)